復活

こんばんは。
体調が悪く薬漬けの生活だった人です。
ようやく元気を取り戻しましたのでまた再開します。
(風邪引く直前の忘年会後に撮影したと思われる、臨場感のあるラーメンの写真)





なんと言ってもM1グランプリ決勝がありましたね。
参加芸人5040組の中にはもちろん僕らもいますからね。
僕らも参加した大会が幕を閉じたと言うことで感慨深いものがあります。
そして、とにかく決勝は面白かったです。

ひとつ気になるのは、
ミルクボーイやぺこぱの漫才を「誰も傷つけない漫才」とし、それが善でそれ以外を悪と評するかのような声がありますが、全くもって反対意見です。
なぜなら、他のほとんどの漫才のも誰も傷つけてないし、
百歩譲って他の漫才がもし誰かを傷つけてると仮定するならミルクボーイも誰かを傷つけてることになるからです。

たとえば今回の和牛やかまいたちのような、役割上のキャラ(ボケ)に対するツッコミをしていく漫才は誰も傷つけてないだろ、と僕は思います。
だって架空の人物像を作って、架空の行動をして、それにつっこんでるわけですから。
「次々におかしな物件を紹介する人と言い争う漫才」で、一体誰が傷つくんです?誰も傷つきません。

人を傷つける笑いっていうのは、物理攻撃、容姿や生い立ちをいじる、その場にいない人をいじる、みたいな笑いのことでしょ。
僕もそういうのは嫌いで、自分でネタを書くときには盛り込まないようにしてる。
漫才の多くは、人と人が言い争ってる構図だからまるで誰かが傷ついてるかのように勘違いしてるのかもしれないけど、実はそんな誰かを傷つけてる事なんてない。
何に対してつっこんでいるのかに焦点を当てると、あくまで役割上の、架空の、フィクションの言動に対する訂正ばかりだという事がわかるはず。
本当に人を傷つけるような、ひたすらブサイクやハゲをいじる漫才は僕も本当に嫌い。
そういう直接の人格攻撃で笑いをとる人達が決勝にいなかったのが、今大会が良かったと言われる要因だとは僕も思う。

僕が言いたいのは、ミルクボーイが平和というのはむしろ逆で、ひたすら何かの悪口を上手に言うのが彼らの漫才なんですけど?って事。
それが悪いとかじゃなく、あくまで「誰も傷つけない」に対する異論として。
もしコーンフレークやモナカに命かけてる人が聞いたら普通に傷つくでしょ、って事。
同じシステムで「競歩」をいじるネタもありますが、あれも国民の多くが競歩への理解が薄いから面白くて笑えるわけで、
もし僕が競歩選手だったらどう思うかわかりません。
何度も言うけどそれが悪いとかじゃなくてね。そのみんなが共感して笑える絶妙なラインを独自の言い回しでつくから面白いんであってね。
誰も傷つけてない部分が評価されたみたいな事言ってる人は、ちょっとわかってないなと思っただけです。

あとぺこぱも、あれは関西風味の強くて攻撃的なツッコミが日本中に浸透しきっているからこそ、「つっこまない」がウケたわけで、
むしろ攻撃的ツッコミを一番上手に利用しているのがぺこぱでしょう。
だから、ぺこぱを立てたいがために、対極にある強いツッコミを貶すなんて愚かとしか言えません。
強いツッコミの概念がない世界にぺこぱの漫才を持っていっても笑えませんから。
これまでの漫才の長い歴史があるからぺこぱが今ここにきて面白いんです。

何かを褒めるための材料としてわざわざ他方を貶す人ってよくいるけど、その感覚がわかりません。
それこそ誰かを傷つけてるじゃん、と僕は思いますけどね。




明日は18時からFMりべーるにでます。

(執筆者:えのき)

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